なまえ

全然眠れなくて、私は夜な夜な考え事をしている。最近あんまりいい夢を見れていないし、現実だって悲しくなることばかりだ。ずっと同じことを考えてしまう。男の子がまだ男の子だった頃のことを考えてしまう。席替えや、お昼ご飯、体育の時間、放課後。些細なことにドキドキする気持ちは今も変わらないけど、ご飯を食べに行く約束から始まってしまう対面はまだ少し追いつけない。男の人は、少し怖い。年上の人はなんだかかっこよくて良いなと思っていたけど、私は言いたいことがあっても何日か考えてしまうだろうし、突然連絡が来ても足踏みをしてしまうだろう。ご飯に行くことなんて、大したことじゃないかもしれない。だけどずっと考えてしまっているのだから、私からしたら大問題だ。私はやっぱり自分に自信が無いし、目を見て話せないし、できたらコンタクトの度数が合ってないでほしいといつも思う。ぼやけた視界に映る私が充分過ぎる。どこかへ遊びに行ったりしたって、私は隣を歩いている時間が好きだ。ずっとそうしていたい。座って話すのは苦手だ。座ると頭が働かないから、全然喋れなくなってしまう。だからって面白い話をできるわけじゃないんだけど。やっぱり可愛げがないし、誰とも比べずに強く生きられたらどんなにいいものか。