いつかのそうたくん

そういえば、この間は土砂降りの雨だったよ。あの日僕は傘を持っていくか迷って、結局傘を持たずに家を飛び出してしまった。小さいことだと思うでしょう。だけど冷たい雨に打たれながら傘を差して歩く人達とすれ違っては少し惨めだなと思っていた。僕はきっと心の迷いの答えをいつも通り過ぎている。理由をつけては考えることをやめて、なんとかなるとなんとなく思ってしまってる。迷うことが苦手なんだと思う。自身のことをどうにか肯定して、自信を誤魔化している。誰でもあることが僕には安心じゃない。みんながいるから比べてしまうし。こんなままじゃいっこうに幸せになんかなれそうにないね。自ら望んで不幸を待っているようだ。幸せから逃げていることに気付かないで。臆病だろうか、でもきっともう、ずっと言えそうにないことがあるよ。君は僕に言いたいことを全部言っている、そう見えてしまっているからこんなにも悲しい。誰かの隠し事になるくらい、どうしようもない存在になりたかった。